なにわの伝統野菜・玉造黒門越瓜(しろうり)を求めて②
先日のエントリ に引き続き玉造黒門越瓜(しろうり)のお話第2回目です。
■お話を伺った方
玉造稲荷神社 鈴木さん
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今日は瓜が育てられてる畑に潜入。
そして瓜にまつわる色んなトリビアもあります。
これであなたも瓜博士ですッ!!
■ 越瓜畑に潜入レポ!
瓜の苗でございます。
うんうんすくすく育てよー。
ゴリ:
「瓜が実になりだすのはどれくらいなのですか?」
鈴木さん:
「大体7月ですね。種を植えるのは3月頃になります。」
ゴリ:
「ほうほう。真夏にとれるのですね。」
鈴木さん:
「そうです。越瓜は夏にぴったしなんですよ。なぜなら実にたっぷり水分が含まれてるので夏バテ予防に大変良いのです。」
ゴリ:
「なるほどー。すいかと基本的には一緒ですね。」
鈴木さん:
「そうそう。ところでゴリさん越瓜って色々面白いんですよ。これ見てください。」
ゴリ:
「おおっ。ひょろっとつるが伸びてますね。」
鈴木さん:
「つるは親づる、子づる、孫づるとあって、孫づる以外には実がならないんです。」
ゴリ:
「へぇー。これは何づるですか?」
鈴木さん:
「子づるですね。だからもっと伸びてきた際には切ってしまいます。養分がとられますから」
ゴリ:
「なるほど。」
鈴木さん:
「でね、このつる、どれくらい伸びると思います?」
ゴリ:
「えっ、唐突ですね。んー10センチぐらいですか?」
鈴木さん:
「実はね、こーれぐらいなんです」
ゴリ:
「な、ながっ!(´Д`;)」
鈴木さん:
「未来予想図では直線ですが、もちろんつるなので、にょろにょろと生えます。そしてこれが一本の苗につき何本もはえるので、最盛期は大変ことになるんですよ。」
ゴリ:
「へーッ!今の状態からは想像できないですね。」
鈴木さん:
「今みえてる畑の土がつるで覆いつくされてしまうんですよ。是非実がなる頃にもう一度みにきてください。」
ゴリ:
「はいっ。いやー、さすが自然の生命力はすごい。(・∀・)」
畑には石碑もあります。
なんかご利益ありそう・・(´ー`)
あと旗もあります・・・ってひるがえっちゃった(TДT)
畑は神社に隣接してありますので、
お近くを通られた際は是非見てみてくださいね。
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■ 越瓜にまつわるトリビア
トリビア1:越瓜は何故「しろうり」と読むのか
ゴリ:
「『越瓜』でなんで『しろうり』って読むんですか?当て字ですよね。」
鈴木さん:
「ゴリさん、『きゅうり』って漢字で書けます?」
ゴリ:
「い、いえ・・書けないです。」
鈴木さん:
「胡瓜 って書くのですが、これはそもそも『胡』という国から伝わったからなんです」
ゴリ:
「へぇー」
鈴木さん:
「ということで、越瓜は古代中国の『越』という国から伝わったからこの字になってるんです」
ゴリ:
「へぇーへぇーへぇー」
鈴木さん:
「でね。きゅうりは熟すと黄色くなるんです。ゴリさん、『き・うり』って続けて言ってみてください。」
ゴリ:
「きうり、きうり、きゅうり・・・・・おっ!きゅうり!あー、そういう意味なんですか!」
鈴木さん:
「で、越瓜のほうですが、これは熟すと白くなっていくんです。」
ゴリ:
「なるほどっ!それで『越瓜』を『しろうり』と読むんですね!なんかちょっと賢くなった気分です!」
トリビア2:奈良漬の歴史
ゴリ:
「先日カフェカバーで食べたあの奈良漬、とってもおいしかったです。」
鈴木さん:
「江戸時代、この周辺では酒造業が盛んだったんですよ。で、奈良漬はこの酒造りからでる『酒粕』と『越瓜』があわさって生まれたんです」
ゴリ:
「ほほーッ!なるほど。なんかすごい納得できる話ですね。」
鈴木さん:
「江戸時代に『お蔭参り』というのが流行したのですが、玉造はそのお蔭参りの玄関口だったんです。
そこで旅支度をしながら、奈良漬を食すというのがその時代のスタイルだったようです。
奈良漬は良く持ちますし、旅のお供にも適していたので、もう皆食べてたようです。いわば奈良漬フィーバーですね。」
ゴリ:
「おもしろいですね~。いやーほんと歴史的なことってすごい興味深いです。」
鈴木さん:
「でしょ。機会があればゴリさんも色んな野菜の歴史を紐解いてみてくださいね」
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越瓜という野菜一つにもさまざまなストーリーがあるのだなぁと
とても感慨深くなったお話でした。
いつも食べてる野菜でもいつから食べられてきたのか、どういう土地からきのかなどを調べてみるととても楽しいと思います。是非皆さんもやってみてくださいね。
さて、鈴木さんへのインタビューは次回で最後です。
各地にちらばる伝統的なお野菜と、
なにわの伝統野菜の取り組みについてお話をお伺いしました。
それでは次回もお楽しみに☆